基準値
●TMパナセラ®「プレート」(富士レビオ)
血漿,血清ともに
・男性 2.1~4.1FU/mL
・女性 1.8~3.9FU/mL
●ステイシアCLEIA TM(LSIメディエンス)
血清:12.1~24.9U/mL
測定法 ELISA法
検体量 血清0.3mL
日数 2~6日
目的 細小血管障害の存在の推定
Decision Level
●高値
[高頻度・可能性]播種性血管内凝固症候群(DIC),血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),急性呼吸促迫症候群(ARDS),腎不全,糖尿病,全身性エリテマトーデス(SLE) [対策]原疾患の診断と治療
●不変
[高頻度・可能性]心筋梗塞,狭心症,閉塞性動脈硬化症,深部静脈血栓症,脳出血
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
トロンボモジュリンは血管内皮細胞より産生されるトロンビンと複合体を形成して凝固阻害因子のプロテインCを活性化する.脳の血管を除き,全身血管に広範囲に存在する物質である.したがって,血管,特に細小血管壁の障害や破壊で血中に遊離されるため,血管機能のマーカーとなる.DIC,SLEなどの膠原病,糖尿病など全身の細小血管障害がみられる疾患で,トロンボモジュリンは高値をとりやすい.TTPまた溶血性尿毒症症候群(HUS)など,いわゆる血栓性微小血管障害(TMA)は,血管内皮障害により起きる疾患であり,その診断,経過判定にトロンボモジュリンがよい指標となる.また,腎より排泄されるため,腎不全で著明な高値を示すことがある.
尿に関しては,糖尿病,川崎病で高値を示し,腎不全では低値となる.
[関連する検査]
①DICで測定されることが多く,トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT)との関連がある.②プロテインC,プロテインSの活性にも関連する.
判読
①測定するキットにより基準値が異なるため,注意を要する.②腎機能障害が疑われるときは,トロンボモジュリン値とクレアチ
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