基準値
・男性:17ng/mL以下(10±4ng/mL)
・女性:10ng/mL以下(6.5±3ng/mL)
測定法 ELISA
検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)
日数 2~8日
目的 線溶亢進状態の把握と血管内皮細胞機能の評価
Decision Level
●基準値上限~40ng/mL(増加)
[高頻度]多臓器不全症候群(MODS)のないDIC,急性心筋梗塞,癌,肝硬変,敗血症 [可能性]血栓症,血管炎,過度の運動,慢性腎不全 [対策]組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA),プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI-1),プラスミノゲン(Plg),α2-プラスミンインヒビター(α2-PI),プラスミン・α2-プラスミンインヒビター複合体(PPIC),フィブリン/フィブリノゲン分解産物(FDP)などの測定,原疾患の診断と治療
●40ng/mL以上(高度増加)
[高頻度]MODSを伴ったDIC,肝癌 [可能性]妊娠高血圧症候群,t-PAの投与,重度敗血症,重症裂傷 [対策]t-PA,PAI-1,Plg,α2-PI,PPIC,FDPなどの測定,原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血管内皮細胞から放出されたt-PAの大部分は,血中に存在しているPAI-1に捉えられて複合体を形成して活性を失う.複合体の血中半減期は約5分とされている.PAICの増加はt-PAの放出増加,つまり線溶の発動開始と血管内皮細胞機能の両者を反映していると考えられる.MODSを伴ったDICでのPAICの高度増加は,PPICがあまり増加していないことから,二次線溶亢進の結果というよりむしろ血管内皮障害によるt-PAとPAI-1両者の増加の結果と考えられる.
[見逃してはならない異常値]
MODSを合併したDIC経過中にt-PA・PAI複合体が高値であった例は予後不良であるという報告がある.
[関連する検
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