診療支援
検査

血液粘弾性検査   600点
blood viscoelasticity test
橋口 照人
(鹿児島大学大学院教授・血管代謝病態解析学分野)

基準値 各検査法の判断基準に準拠


測定法 TEG®(thromboelastography)6S法,ROTEM® (rotational thromboelastometry),Sonoclot®法


検体量 TEG®6S:全血2mL, ROTEM®法:全血3mL,Sonoclot®法:全血330~360μL


日数 採血後即時検査.TEG®6S法:10~15分,ROTEM®法:解析まで含めて50分以内,Sonoclot®法:15分


目的 心臓血管手術は凝固障害が生じやすく,大量出血などの緊急対応が必要となる.このために血液凝固能,血小板機能などの止血機構全過程をモニタリングできる血液粘弾性検査を行う


Decision Level

[高頻度]心臓外科手術は,輸血消費量が多い.特に人工心肺装置を用いた心臓血管手術における人工心肺離脱後の血液凝固障害が生じやすく,凝固因子活性・濃度の低下,血小板数・機能の低下,病的線溶亢進によるフィブリン・フィブリノゲン分解の程度により病態の急激な変化が生じてくる.

NOTE 人工心肺中に進行する血液凝固障害を活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),プロトロンビン時間(PT),活性化凝固時間(ACT)などの一般的凝固検査を利用した評価は困難である.この対応として,欧米では,早期から血液粘弾性検査を輸血アルゴリズムに取り入れた研究が進行し,現在,欧州麻酔学会ガイドラインでは,血液粘弾性検査の実施はエビデンスレベル1Cとされている.わが国でも手術法や麻酔の進歩により,高齢者の手術適応も拡大し,輸血の需要が増加している.このような状況を鑑み,日本心臓血管麻酔科学会学術委員会血液凝固部門から「心臓血管麻酔における血液粘弾性検査の使用指針」が公表された.2020年4月より,血液粘弾性検査は,開心術(人工心肺を用いたものに限る)を行う患者に対して,血液製剤などの投与の

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