基準値
・PF-4:2~18ng/mL
・β-TG:7~50ng/mL
測定法 ELISA法(アセラクロム® β-TG TMB「FR」,富士レビオ社)
検体量 血漿0.3mL(採取保存の項に記載してある方法で採血し,遠心後の上清を保存)
日数 2~4日
目的 生体内での血小板の活性化,血栓形成傾向の評価
NOTE *保険点数:178点(包)(PF-4),176点(包)(β-TG)
Decision Level
●高値
[高頻度・可能性]DIC,心筋梗塞,虚血性脳血管障害,糖尿病性血管障害,深部静脈血栓,人工心肺灌流,喘息 [対策]原疾患の診断と治療
●低値
[高頻度・可能性]血小板減少症 [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血小板第4因子(PF-4)は,α顆粒中に含まれる血小板特有の蛋白で,ヘパリン中和作用や,単球の走化惹起作用をもつ.β-トロンボグロブリン(β-TG)はlow affinity PF-4がさらに分解されたものであり,腎より排出されるため腎機能障害で血中濃度が上昇する.両者とも血小板活性化に際し,血中に放出されるため,血栓症の診断,血栓形成準備状態の診断に有用である.採血時の操作を慎重に行わないと,血小板が活性化されPF-4およびβ-TGが見かけ上,高値をとるおそれがある.また,特発性血小板減少性紫斑病(ITP),肝硬変など血小板産生低下また血管外での血小板破壊があると,PF-4およびβ-TGは低値をとることが多い.
[関連する検査]
生体内での血小板活性化状態の評価としては,トロンボキサンB2(TXB2)および11-デヒドロトロンボキサンB2(11-DTXB2)がある.TXB2や11-DTXB2はアスピリン不応症の判定に使われることが多い.
判読
①ヘパリン投与時には,血管内皮に結合したPF-4が遊離するためPF-4が高値をとる.よってヘパリン投与時のPF-
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