測定法 特異抗体を用いたウエスタンブロット法,交差免疫電気泳動
検体量 3.8%クエン酸ナトリウム1容と全血9容,採血20~30mL
日数 7~14日
目的 先天性血小板機能異常が疑われたときの確定診断
Decision Level
●グリコプロテインⅠb欠損
[高頻度・可能性]Bernard-Soulier症候群 [対策]血小板減少,巨大血小板,出血時間延長,リストセチン凝集の低下などを確認する.遺伝子レベルでの確認も必要
●グリコプロテインⅡb/Ⅲa欠損
[高頻度・可能性]血小板無力症 [対策]出血時間延長,ほとんどの血小板活性化物質に対して血小板凝集を認めないことを確認する.遺伝子レベルの探索も行う
●グリコプロテインⅠa欠損
[高頻度・可能性]コラーゲン受容体欠損症 [対策]コラーゲン凝集が欠如していることを確認
●グリコプロテインⅥ欠損
[高頻度・可能性]コラーゲン受容体欠損症 [対策]コラーゲン凝集が欠如していることを確認
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血小板膜糖蛋白の異常は,出血傾向,血小板機能異常症より発見されることが多い.血小板膜糖蛋白の発現は遺伝的に規定されており,一般的には,ある糖蛋白の欠損は先天性疾患の存在を意味する.最終的な診断は,遺伝子解析を必要とする.まれに自己免疫性疾患(特発性血小板減少性紫斑病)などで,ある膜糖蛋白に対する抗体が産生され,末梢に残っている血小板上にその膜糖蛋白が欠如していることがあるが,その機序は不明である.
[関連する検査]
血小板機能検査(血小板凝集能,血小板粘着能,血小板放出能)などで先天性血小板機能異常が疑われた場合に測定する.
判読
血小板膜糖蛋白の解析は,専門家の判定が必要.
採取保存
3.8%クエン酸ナトリウム1容に血液9容を加えたものを,160G,10分間遠心して分離した多血小板血漿の状態で保存するのがよい.室温で2~3日の保存も可能
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