基準値 86~160mg/dL(SRL),80~140mg/dL(BML),65~135mg/dL(FALCO,LSI)
共用基準範囲 73~138mg/dL
測定法 免疫比濁法(TIA法)
検体量 血清0.4mL(SRL),血清0.5mL(BML,FALCO,LSI)
日数 2~4日(SRL),2~3日(BML),3~5日(FALCO),1~2日(LSI)
目的 膠原病や腎炎が疑われた場合の測定
Decision Level
●86mg/dL以下(低値)
[高頻度・可能性]全身性エリテマトーデス(SLE),悪性関節リウマチ(MRA),溶連菌感染後急性糸球体腎炎,膜性増殖性糸球体腎炎,C3腎症,非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS),肝炎,肝硬変,細菌性心内膜炎,クリオグロブリン血症,先天性補体欠損症(C3欠損症,I因子欠損症,H因子欠損症) [対策]C4やCH50と併せ鑑別診断を行う
●160mg/dL以上(高値)
[高頻度・可能性]炎症性疾患〔感染症,関節リウマチ(RA)など〕,悪性腫瘍
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
C3は補体系の古典経路と副経路の接点に位置する補体蛋白で,いずれの経路の活性化によっても消費されて異常低値を示す.膜性増殖性糸球体腎炎の一部の患者では,C3 nephritic factorと呼ばれる自己抗体の出現のためにC3が選択的に低下する.C3欠損症やC3の制御因子(H因子,I因子)の欠損症ではCH50とともにC3が低値を示す.最近C3 nephritic factorだけでなく,遺伝性C3制御因子欠損症でも糸球体腎炎(主に膜性増殖性糸球体腎炎)をきたすことがわかった.両者はC3優位の糸球体沈着がみられ,C3腎症と呼ばれる.CH50同様,その高値に臨床的意義は認められない.
[関連する検査]
C4,CH50と同時測定することにより疾患の鑑別に役立つ.詳細は「CH50」の
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/補体価《CH50》 [保] 38点
- 臨床検査データブック 2023-2024/トロンボモジュリン〔TM〕 [保] 204点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/補体価《CH50》 [保] 38点
- 臨床検査データブック 2023-2024/C1q
- 臨床検査データブック 2023-2024/C2
- 臨床検査データブック 2023-2024/C4 [小][保] 70点
- 臨床検査データブック 2023-2024/C1インアクチベータ《C1インヒビター,C1エステラーゼ抑制因子》 [保]* 260点
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗ガラクトース欠損IgG抗体 [保] 114点
- 臨床検査データブック 2023-2024/IgG,IgA,IgMの組み合わせによる鑑別診断 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗β2グリコプロテインⅠ抗体〔抗β2-GPⅠ抗体〕 [保] 226点
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗HMGCR抗体
- 新臨床内科学 第10版/(3)ホモシスチン尿症
- 今日の小児治療指針 第17版/ループス腎炎