診療支援
検査

C4   70点
complement 4
水野 正司
(名古屋大学大学院医学系研究科特任教授・腎不全システム治療学寄附講座)

基準値 17~45mg/dL(SRL),11.0~34.0mg/dL(BML),13~35mg/dL(FALCO,LSI)


測定法 免疫比濁法(TIA法)


検体量 血清0.4mL(SRL),血清0.5mL(BML,FALCO,LSI)


日数 2~4日(SRL),2~3日(BML),3~5日(FALCO),1~2日(LSI)


目的 膠原病や腎炎が疑われた場合の測定


Decision Level

●17mg/dL以下(低値)

[高頻度・可能性]全身性エリテマトーデス(SLE),悪性関節リウマチ(MRA),肝炎,肝硬変,細菌性心内膜炎,低補体性血管炎,クリオグロブリン血症,先天性補体欠損症(C4欠損症),遺伝性血管性浮腫 [対策]C3と併せ鑑別診断を行う


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 C4は補体系古典経路の主要成分であり,この経路の活性化により消費されて低値を示す(SLEなど).副経路の選択的活性化やC3欠損症および補体系late componentの欠損症ではCH50は低下するがC4値は基準範囲内にとどまる.その他,CH50,C3との同時測定による鑑別診断については「CH50」の項を参照のこと.C4蛋白の先天性欠損症では,SLEなどの自己免疫疾患をしばしば合併する.


[関連する検査]

 遺伝性血管性浮腫は,補体系古典経路の制御因子C1インアクチベータの欠損または活性低下が原因である.発作性に顔面,咽頭,喉頭,四肢の限局性浮腫が起こるが,このときにC4が低値を示す.


判読

①年齢,性差,食事などの影響は問題とならない.②cold activationについては「CH50」の項参照


採取保存

 「CH50」の項参照


保険注意

①主な対象疾患:自己免疫疾患,腎疾患,先天性C4欠損症,遺伝性血管性浮腫,感染症.②SRID法などによる.


推奨する総説

 西川和裕:補体.日本内科学会雑誌 97:948-954

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