基準値 17~45mg/dL(SRL),11.0~34.0mg/dL(BML),13~35mg/dL(FALCO,LSI)
測定法 免疫比濁法(TIA法)
検体量 血清0.4mL(SRL),血清0.5mL(BML,FALCO,LSI)
日数 2~4日(SRL),2~3日(BML),3~5日(FALCO),1~2日(LSI)
目的 膠原病や腎炎が疑われた場合の測定
Decision Level
●17mg/dL以下(低値)
[高頻度・可能性]全身性エリテマトーデス(SLE),悪性関節リウマチ(MRA),肝炎,肝硬変,細菌性心内膜炎,低補体性血管炎,クリオグロブリン血症,先天性補体欠損症(C4欠損症),遺伝性血管性浮腫 [対策]C3と併せ鑑別診断を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
C4は補体系古典経路の主要成分であり,この経路の活性化により消費されて低値を示す(SLEなど).副経路の選択的活性化やC3欠損症および補体系late componentの欠損症ではCH50は低下するがC4値は基準範囲内にとどまる.その他,CH50,C3との同時測定による鑑別診断については「CH50」の項を参照→のこと.C4蛋白の先天性欠損症では,SLEなどの自己免疫疾患をしばしば合併する.
[関連する検査]
遺伝性血管性浮腫は,補体系古典経路の制御因子C1インアクチベータの欠損または活性低下が原因である.発作性に顔面,咽頭,喉頭,四肢の限局性浮腫が起こるが,このときにC4が低値を示す.
判読
①年齢,性差,食事などの影響は問題とならない.②cold activationについては「CH50」の項参照→.
採取保存
「CH50」の項参照→.
保険注意
①主な対象疾患:自己免疫疾患,腎疾患,先天性C4欠損症,遺伝性血管性浮腫,感染症.②SRID法などによる.
推奨する総説
西川和裕:補体.日本内科学会雑誌 97:948-954
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