基準値 陰性(5.0U/mL未満)
測定法 ELISA
検体量 血清0.4mL
日数 2~8日
目的 視神経脊髄炎(neuromyelitis optica;NMO)の診断
Decision Level
●陽性
[高頻度]NMO,NMO関連疾患 [対策]頭部や脊髄のMRI,脳脊髄液検査などを行い,診断を確定し,治療を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
従来多発性硬化症の亜型と考えられてきた,視神経と脊髄を病変の主座とする中枢神経の炎症性疾患であるNMOに,特異的に抗AQP4抗体が陽性となることが報告され,同抗体はNMOの診断に有用であるとともに病態にも関わる因子と考えられている.多発性硬化症とNMOでは病態が異なり,再発予防のための治療法が異なることが明らかとなっており,両者の鑑別は臨床的にもきわめて重要である.視神経炎あるいは脊髄炎のどちらか一方のみを呈する症例でも陽性となることがあり,同様の病態が働いていると考えられている.
抗体測定法には,ELISA以外に細胞膜にAQP4を発現させて抗体との反応をみるcell-based assay (CBA)もあるが,後者のほうが感度が優れていると報告されており,ELISAで陰性の場合に注意が必要である.
[感度・特異度]
特異度90%以上.
[関連する検査]
多発性硬化症でみられることが多い脳脊髄液オリゴクローナルバンドはNMOで陰性のことが多いので,併せて測定することが望ましい.
採取保存
採血後血清分離し,凍結保存する.
保険注意
ELISA法により,視神経脊髄炎の診断(治療効果判定を除く)を目的として測定した場合に算定する.当該検査の結果は陰性であったが,臨床症状・検査所見などの変化をふまえ,視神経脊髄炎が強く疑われる患者に対して,疾患の診断を行う必要があり,当該検査を再度実施した場合にも算定できる.ただし,この場合,前回の検査実施日および
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