測定法 スライド法,試験管法
検体量
・ABO式:全血1mL
・Rh式:全血1mL
日数 当日
目的 ABOおよびRh式血液型の判定による不適合輸血の防止
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
■ABO式血液型検査(検査手技は→を参照)
患者血球の抗原を調べるオモテ試験,患者血清中の抗A,抗B抗体の存在を調べるウラ試験の両方を実施し,その結果の一致により血液型を判定する.しかし一致しない場合もある.特に新生児では一致しない例が多い.
ABO型の各型の頻度は日本人において,ほぼA:O:B:AB=4:3:2:1である.
なお輸血の場合は,必ず交差試験を行うこと.
NOTE 血液型誤判定と医療事故
異型輸血による医療事故が後を絶たない.輸血の発注から実施までの種々の段階での過ちが事故につながる.特に,血液型やクロスマッチの誤判定は事故に直結する.個々人の注意も重要であるが,システムとして予防することが最も重要である.
NOTE オモテ・ウラ試験不一致の原因
●赤血球側の原因
①抗原性が弱い場合.②悪性腫瘍など疾病による抗原性の低下.③自己免疫疾患による血球の抗体感作.④汎凝集反応.⑤ABO不適合輸血.⑥胃癌,卵巣腫瘍による抗A,抗B血清の中和.
●血清側の原因
①不規則性抗体の存在.②低γ-グロブリン血症による抗体欠如.③骨髄腫やデキストラン投与後の連銭形成.④新生児の胎盤通過性母親由来抗体の存在.⑤新生児(抗A,抗B抗体の未産生).⑥O型血液を他の血液型患者へ輸血後.
●技術的な問題
①抗血清の力価低下.②血球浮遊濃度.③溶血反応の見落とし.④遠心法.⑤試験管の振り方.⑥反応温度と時間の誤り.⑦フィブリン析出.⑧細菌汚染など.
●事務的な問題
①試験管の取り違い.②記載ミスなど(輸血事故の原因は,技術的な判定ミスより事
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/血液型判定・交差適合試験
- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固抑制因子検査《凝固因子インヒビター》 凝固因子インヒビター定性《クロスミキシング試験》 [保] 100点
- 臨床検査データブック 2023-2024/交差適合試験《血液交差試験》 [保] 30点
- 臨床検査データブック 2023-2024/不規則性抗体 [保] 159点
- 臨床検査データブック 2023-2024/サイトメガロウイルス抗体〔CMV抗体〕 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/サイトメガロウイルス核酸診断〔CMV-DNA,CMV-mRNA〕
- 臨床検査データブック 2023-2024/サイトメガロウイルス特異的細胞傷害性T細胞解析〔CMV特異的CTL解析〕
- 今日の救急治療指針 第2版/血液型判定,交差適合試験
- 令和6年 医科診療報酬点数/D013 肝炎ウイルス関連検査