目的 抗菌薬の薬物動態,薬力学に基づいた投与計画
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
抗菌薬におけるPK/PDとは,薬物動態を意味するpharmacokinetics(PK)と薬力学を意味するpharmacodynamics(PD)を組み合わせることにより,抗菌薬の用法・用量と抗菌作用との関係を表し,薬剤の有効性や安全性を評価する考え方である.PKは主に,生体内での抗菌薬の濃度推移を示し,PDは生体内での抗菌作用を示す.PK,PDそれぞれの代表的なパラメーターとこの両者を組み合わせたPK/PDパラメーターを表150図と図88図に示す.薬物濃度がMICを上回る時間の割合(T>MIC)と効果が相関する薬剤(時間依存性抗菌薬)では,1日投与量が同じ場合,1日3~4回に分割して投与することでより効果を発揮する.一方,Cmax/MIC(Cpeak/MIC)と効果が相関するアミノグリコシド系抗菌薬やキノ