基準値 0.7U/mL以下
測定法 ELISA法
検体量 血清0.2~0.5mL
日数 3~5日
目的 Mycobacterium avium complex(MAC)細胞壁由来GPL core抗原に対する抗GPL core IgA抗体の検出によるMAC症の補助診断
Decision Level
●0.7U/mL以上
[高頻度]MAC症 [可能性]M. abscessus,M. scrofulaceum,M. fortuitum,M. chelonaeもGPLを保有することに注意が必要である [対策]培養検査や遺伝子検査などで,微生物の同定を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
GPL(glycopeptidolipid) core は,MACの細胞壁を構成する主要な糖脂質抗原で,結核菌やM. kansasiiには存在しない.抗GPL core IgA抗体を測定することで,培養に時間のかかる抗酸菌の補助診断に役立つ.
[感度・特異度]
感度84.3%,特異度〔肺結核およびその他の胸部疾患(肺癌,間質性肺炎,慢性閉塞性肺疾患,サルコイドーシス)との鑑別における無病正診率〕100%.
[関連する検査]
必要に応じて他の抗酸菌関連検査(培養検査,遺伝子検査)と併せて判断する.なお,結核菌,非結核性抗酸菌ともに有するTBGL抗原に対する抗TBGL抗体の検査試薬は不正確で誤診が多いため販売中止となっている.
判読
確定診断は臨床症状や画像診断法・培養法など,他の検査結果と併せて総合的に判断して行う.
採取保存
検体は採血後速やかに測定する.長期保存する場合には密栓をして-20℃ 以下で凍結保存する.なお,凍結,融解は繰り返さない.
薬剤影響
明らかな妨害物質や薬剤は知られていない.
保険注意
金コロイド免疫測定法またはEIA法により実施した場合に算定する.
推奨する総説
猪狩英俊:抗酸菌感染症診断法の進歩.
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