基準値
●カットオフインデックス値
・0.5未満:陰性
・0.5以上:陽性
測定法 ELISA
検体量 血清0.7mL
日数 2~8日
目的 侵襲性アスペルギルス症の補助的診断
Decision Level
[高頻度]侵襲性肺アスペルギルス症 [対策]臨床所見,画像所見と併せてアムホテリシンBなどのアスペルギルス症に効果のある抗真菌薬の投与を考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血清中の可溶性アスペルギルス抗原(ガラクトマンナン抗原)に対するモノクローナル抗体を利用したELISAによる検査である.測定感度はガラクトマンナン濃度として0.5ng/mL.侵襲性アスペルギルス症において,抗体検査の陽性率は低いが抗原検査での感度は高い.一方,肺アスペルギローマのような慢性アスペルギルス感染症では,ガラクトマンナン抗原は検出されにくい.
なお,アスペルギルス属だけでなくPenicillium属,Alternaria属などで交差反応が認められている.そのため投与量によっては,Penicillium属の培養上清由来の物質を原料とする半合成抗菌薬(PIPC,PIPC/TAZなど)に反応する可能性がある.
また,ガラクトマンナンは植物の種子(特に豆類)に多く含まれており,消化管粘膜の損傷した患者では血液中に移行し,偽陽性を示すことがある.ガラクトマンナン抗原は血中クリアランスが高いことから,頻回測定が必要とされているが,感度・特異度とも高く,侵襲性アスペルギルス症の補助的診断・経過観察に有用である.
[関連する検査]
①真菌培養検査,β-D-グルカン検査,アスペルギルス抗体検査との関連がある.②アスペルギルスの培養検査の陽性率は低いことから,本抗原検査の有用性は高い.
採取保存
冷蔵保存(4℃以下).
薬剤影響
菌体抗原をターゲットとしているため,抗真菌薬による影響はない.
保険注意
①LA法またはELISA法によ
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/結核菌群抗原 [保] 291点
- 臨床検査データブック 2023-2024/レジオネラ核酸検出 [保] 292点
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗抗酸菌抗体 抗MAC抗体 [保] 116点
- 臨床検査データブック 2023-2024/糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原《ヘリコバクター・ピロリ抗原定性》 [保] 142点
- 臨床検査データブック 2023-2024/カンジダマンナン抗原《カンジダ抗原》 [保] 134点
- 臨床検査データブック 2023-2024/クリプトコッカス・ネオフォルマンス抗原 [保] 174点
- 臨床検査データブック 2023-2024/マイコプラズマ類 マイコプラズマ・ニューモニエ抗原《マイコプラズマ抗原》 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/マイコプラズマ類 マイコプラズマ核酸検出 [保] 291点
- 臨床検査データブック 2023-2024/D-アラビニトール [保] 160点
- 臨床検査データブック 2023-2024/エンドトキシン [保] 236点
- 臨床検査データブック 2023-2024/β-D-グルカン《(1→3)-β-D-グルカン》 [保] 201点