基準値 陰性
測定法 ラテックス凝集法
検体量 血清0.8mLまたは髄液0.8mL
日数 約60分(院内検査),2~4日(院外検査)
目的 ヒト由来の検体より分離したCryptococcus neoformansの同定
Decision Level
●陽性
[高頻度]クリプトコッカス症 [対策]抗真菌薬の投与.確定診断にはC. neoformansを分離同定する必要があり,髄液,喀痰,気管支肺胞洗浄液,肺組織,皮膚組織などの培養検査も同時に行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
C. neoformans(クリプトコッカス属真菌)は主に肺や皮膚から感染して病巣を形成する.肺クリプトコッカス症が多いが,播種性感染症を起こすことがある.特に中枢神経系に播種して,脳髄膜炎を起こすことが多い.感染源としてハトなどの鳥の糞との関与が示唆されており,環境中に浮遊する菌を吸入して,あるいは創傷のある皮膚を介して感染する.これまでヒト-ヒト間での感染は報告されていない.
患者血清または髄液中のC. neoformansの莢膜多糖類抗原であるグルクロノキシロマンナンを逆受身ラテックス凝集反応によって検出する.
感度・特異度ともに良好であり,クリプトコッカス症の診断の補助として有用である.クリプトコッカス肺炎で95%の陽性率,クリプトコッカス髄膜炎で100%の陽性率という報告もある.また,抗原価の推移は治療経過とよく相関する.
[関連する検査]
本菌による髄膜炎患者の髄液中における菌体の有無を検査する方法として墨汁法があり,迅速検査として有用である.ただし,抗菌薬投与後では検出不可能なことがある.
[特定背景のある患者]
腎疾患,膠原病,悪性腫瘍,糖尿病やステロイド投与などがリスク因子であり,ヒト免疫不全症候群ウイルス(HIV)感染はクリプトコッカス脳髄膜炎のハイリスクとなる.
判読
C. neoforman
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