基準値
●HBV-DNA定量
・10(1.0Log)ないし20(1.3Log)IU/mL未満:検出せず
測定法
・リアルタイムPCR法【報告範囲】
:1.0ないし1.3Log IU/mL未満:検出せず
:1.0ないし1.3Log IU/mL未満: 検出(定量下限値未満でも増幅シグナルが検出)
:1.0ないし1.3~9.0Log IU/mL
:9.1Log IU/mL以上
検体量 血清1.8~2.1mL
日数 3~5日
目的 B型肝炎ウイルス量の測定による病態把握,治療方針の選択や治療効果の判定
NOTE 従来は,分岐鎖DNAプローブ法,TMA-HPA法,Amplicor HBV Monitor法が用いられていたが,これらと比較して高感度かつ測定レンジが広いリアルタイムPCR法を使用することが現在推奨されている.単位が2017年にcopies/mLから国際的に認可されているIU/mLとなり,検査結果は対数変換してLogで表記している.また,わが国では測定にTaqman法(Roche社)とAccuGene法(Abbott社)が用いられており,定量感度下限はいずれも1.0Log IU/mL(10IU/mL)である.なおTaqMan法は2016年に新たなキットになったが,現在でも定量感度下限が1.3Log IU/mL(20IU/mL)のシステムを用いている医療機関もある.
Decision Level
●陽性〔1.0Log IU/mL以上ないし定量感度未満であっても増幅シグナルが検出される場合は血中にウイルスが存在すると考えられるが,後者の場合は疑陽性の場合もあることに留意する〕
[対策]慢性肝炎はHBV-DNA量が3.3Log(2,000)IU/mL以上,肝硬変は1.0Log(10)IU/mL以上の場合は,抗ウイルス療法の適応になる
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
HBV-DNA量はウイルスの複製能
関連リンク
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