診療支援
検査

HIV関連遺伝子検査《HIV-1核酸定量検査》   520点
genetic testing associated human immunodeficiency virus
貞升 健志
(東京都健康安全研究センター・微生物部長)

基準値

●HIV-1核酸定量検査:検出感度未満(20または30コピー/mL未満)

NOTE 血漿中のウイルスRNA量測定.スクリーニング検査陽性例の確認検査として実施する


測定法 リアルタイムPCR法,TMA(転写増幅)法


検体量 リアルタイムPCR法,TMA法:血漿3~4mL


日数 2~5日


目的 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の遺伝子学的定量


Decision Level

■定量法(標準法):ウイルスRNAを測定

●105~107コピー/mL(高ウイルス量)

[高頻度・可能性]未治療患者(HIV-1感染初期,病状の進行が早い患者)

●103~104コピー/mL(中ウイルス量)

[高頻度・可能性]未治療患者,抗HIV薬治療患者(治療効果がまだ不十分,薬剤耐性の疑い,服薬アドヒアランスの低下)

●200~103コピー/mL(低ウイルス量)

[高頻度・可能性]抗HIV薬治療患者(ウイルス学的失敗の可能性あり),未治療患者

●<20コピー/mL(ウイルスは検出されているが,測定下限未満の場合)

[高頻度・可能性]抗HIV薬による治療患者(治療効果あり)

●検出せず(ウイルスは検出されない)

[高頻度・可能性]抗HIV薬による治療患者(治療効果あり),HIV非感染者,HIV-2感染者

NOTE‍ u=u

 抗HIV療法を継続し,血中のウイルス量が200コピー/mL未満の状態を6カ月以上維持している状態のHIV陽性者は,性行為を通じて他の人にHIV感染させることはないという,科学的根拠が示されている.


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 HIVはRNAウイルスであるが,CD4陽性リンパ球などの細胞内にプロウイルスDNAとして存在するため,RNAまたはDNAを標的とした遺伝子検査の適用が可能である.しかしながら,HIV感染診断(確認検査)およびHIV感染者の治療効果のモニタリングは,特殊な場合を除き,血漿中のウイルス粒子内の

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