基準値 薬剤耐性遺伝子を検出せず
測定法 PCRダイレクトシークエンス
検体量 感染組織25mg,感染組織・排泄液0.5mL,血清0.5mLまたはEDTA加血液0.5mL(EDTA加血液は新鮮検体を用いる)
NOTE サイトメガロウイルス(CMV)核酸がPCRにて検出される検体であれば検査可能
日数 7~12日
目的 薬剤耐性CMVの検出
Decision Level
●ガンシクロビル,バルガンシクロビル,ホスカルネットおよびレテルモビル耐性遺伝子の検出
[高頻度・可能性]ガンシクロビル(バルガンシクロビル)耐性CMV感染症,ホスカルネット耐性CMV感染症,レテルモビル耐性CMV感染症 [対策]CMV分離・同定,定量的CMV核酸検出などのウイルス学的検査,病理組織学的検査,抗体価測定などの血清学的検査,併せて臨床所見の検討により,CMV感染あるいは感染症か否かの判断をする
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ガンシクロビルおよびそのプロドラッグであるバルガンシクロビルはグアノシンのアナログである.バルガンシクロビルは生体内に吸収されると代謝作用を受け,ガンシクロビルに変化する.ガンシクロビルはCMVゲノムのUL97遺伝子産物であるホスホトランスフェラーゼ(リン酸基転移酵素)によって一リン酸化され,最終的に細胞のリン酸化酵素によって三リン酸化される.さらに,CMVのUL54遺伝子産物であるDNAポリメラーゼは,この三リン酸化されたガンシクロビルをCMV-DNA合成に利用する.すなわち,DNAポリメラーゼの本来の基質であるデオキシヌクレオチド三リン酸とガンシクロビル三リン酸が競合的に拮抗することによって,CMV-DNAの伸長が阻害される.したがって,ガンシクロビルが働くためのCMV標的遺伝子にはUL97遺伝子(ホスホトランスフェラーゼ遺伝子)とUL54遺伝子(DNA合成酵素遺伝子)の2つが存在す
関連リンク
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