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検査

サイトメガロウイルス特異的細胞傷害性T細胞解析〔CMV特異的CTL解析〕
analysis of cytomegalovirus specific cytotoxic T cell (lymphocyte)
峰松 俊夫
(愛泉会日南病院・疾病制御研究所長)
南嶋 洋一
(宮崎大学名誉教授)

測定法 MHCペプチドテトラマー法,細胞内サイトカインアシスト解析法,QuantiFERON®法,ELISPOT法


検体量 血液(ヘパリン処理)6mL以上


日数 2~5日

NOTE MHCペプチドテトラマー法では検査可能な被検者のHLA遺伝子型が限定される


目的 サイトメガロウイルス(CMV)特異的細胞性免疫の評価


Decision Level

●CMV特異的CTLの割合(%)が継続的に少ない,あるいは増加が遅れる.IFN-γ低産生

[高頻度]抗CMV細胞性免疫不全 [可能性]CMV未感染者 [対策]CMV分離・同定,定量的CMV核酸検出などのウイルス学的検査,病理組織学的検査,抗体価測定などの血清学的検査,併せて臨床所見の検討により,CMV感染あるいは感染症か否かの判断をする


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 CMV感染症は造血幹細胞移植患者,固形臓器移植患者,HIV感染症患者,胎児などの易感染性宿主に発症することが多い.したがって,これらの患者やハイリスク者においては,CMVに対する宿主の免疫能の評価がCMV感染症対策のうえで重要となる.

 従来の細胞傷害性T細胞(CTL)の解析はリンパ球中に占める全CD8陽性T細胞の割合で評価されていた.近年CMV抗原に特異的なCTL活性を定量的に解析するいくつかの方法が開発されている.そのうち,MHCペプチドテトラマー法および細胞内サイトカインアシスト解析法はフローサイトメトリーを利用してCMV特異的なCTL活性を解析している.また,QuantiFERON®法は血液とCMV抗原ペプチドを培養し,血漿中に放出されたインターフェロン(IFN)-γをELISAにて半定量的に測定する.ELISPOT法は分離したT細胞とCMV抗原ペプチドをマイクロプレート上で培養し,IFN-γの産生スポットを数えるものである.

 MHCペプチドテトラマー法では標的細胞に発現す

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