基準値 8μg/mL以下
測定法 LA(ラテックス凝集比濁法)
検体量 血清1mL
日数 2~4日
目的 炎症状態の鑑別
Decision Level
●8.01μg/mL以上(増加)
[高頻度]続発性AAアミロイドーシス,感染症,組織壊死,悪性腫瘍,自己免疫疾患,心筋梗塞 [対策]SAAの測定がCRPより有用と思われる病態はウイルス感染症で,そのなかでもインフルエンザ,ムンプス,無菌性髄膜炎で高くなる.続発性AAアミロイドーシスの患者でのSAA高値持続はさらなる増悪因子と考える.悪性腫瘍を疑う場合は腫瘍マーカーの測定を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
慢性炎症性疾患に続発するタイプのアミロイドーシスでは,アミロイドAという蛋白成分が線維化,細胞外間質に沈着し,臓器障害を引き起こす.血清アミロイドA(serum amyloid A)は,このAA成分の血中前駆体と想定されたことからその名前がある.ヒトSAA蛋白は,SAA1,SAA2,SAA4の3つが同定されており,これらのうちSAA1とSAA2がIL-1,IL-6,TNFなどの炎症性サイトカインの作用により主に肝で合成される急性相反応物質であり,アミロイド原性蛋白としての性質を有する.SAAの血中濃度は,炎症活動性を鋭敏に反映する.そのキネティクスはCRPのそれとほぼ等しく,したがってSAA測定の臨床的意義はCRPのそれにかなりの部分でオーバーラップしている.
SAAの特徴として,生理的濃度が高く,感度が高いためCRPの上昇程度が低いウイルス感染症やSLEなどで測定する意義がある.
判読
検体の加温,劣化などにより見かけ上高値に測定されることがある.性差,年齢差はない.
採取保存
4℃で1週間以内,凍結解凍1回以内.
薬剤影響
低下副腎皮質ホルモン剤投与時,CRP産生は抑制され低値を示すが,SAAではその影響は少ないとされる.
保険注意
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