基準値 44~71mg/dL(測定キットによって若干差異がある)
測定法 酵素法
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 炎症や組織の崩壊を伴う疾患の診断,治療の指標
Decision Level
●44mg/dL未満(低値)
[高頻度・可能性]重症肝障害 [対策]「関連する検査」にあげる項目と総合的に判断する
●44~71mg/dL(基準値内での変動)
[高頻度・可能性]急性炎症の回復期,慢性感染症の非活動期,慢性肝障害 [対策]「関連する検査」にあげる項目と総合的に判断する
●71mg/dL以上(高値)
[高頻度・可能性]急性感染症,慢性感染症の活動期,膠原病の活動期,心筋梗塞,肺梗塞,甲状腺癌,悪性腫瘍の進行期・転移期 [対策]「関連する検査」にあげる項目と総合的に判断する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
シアル酸はノイラミン酸のアセチル誘導体化合物の総称である.生体内では血漿,分泌液,細胞膜表面などに存在する.血漿中ではα1-酸性糖蛋白,α1-アンチトリプシン,ハプトグロビンなどの急性反応物質に結合した形で存在しているため,炎症や組織破壊を伴う疾患ではこれら糖蛋白が増加するため,シアル酸の量も増える.
シアル酸含有蛋白質の半減期は2~4日と短い.シアル酸測定値は,炎症性疾患や悪性腫瘍などの活動性病態を反映するものとしてこれらの疾患の経過を追ううえで有用な指標となる.重篤な肝障害がみられる場合には,肝臓におけるシアル酸含有糖蛋白の合成能が低下することにより,有意に低下する.
他の急性総反応物質と同様に感染症,炎症性疾患,悪性腫瘍,心筋梗塞や肺梗塞による広範囲な組織破壊が起こるときに高値を示す.
悪性腫瘍の場合には腫瘍の進行期や転移期に上昇し,化学療法や放射線治療により腫瘍が縮小した場合には低下する.
[関連する検査]
CRP,赤血球沈降速度(赤沈),癌関連蛋白があげられる.CRP値と
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