基準値
・150U/mL未満(スクリーニング)
・400U/mL未満(血清診断)
測定法 RIA,EIA
検体量 血清0.2mL
日数 3~5日
目的 肝・膵・胆道系悪性腫瘍の腫瘍マーカー
Decision Level
●400U/mL以上(増加)
[高頻度]膵癌,胆道癌,肝細胞癌 [可能性]食道癌,胃癌,大腸癌,急性肝炎,慢性活動性肝炎,肝硬変,胆道炎併発の胆石症
●150U/mL以上(スクリーニングとしての基準上限以上)
[高頻度]膵癌,胆道癌,肝細胞癌,急性肝炎,慢性活動性肝炎,肝硬変 [可能性]食道癌,胃癌,大腸癌 [対策]CEA,CA19-9,AFPなど他の腫瘍マーカーとの組み合わせ測定を行う.またCT,腹部超音波などの画像診断を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ヒト膵癌培養細胞HPAF-1を免疫原として得られたDU-PAN-1からDU-PAN-5の5種のモノクローナル抗体のなかのDU-PAN-2により認識される抗原であり多様な分子量を有するムチン様糖蛋白と考えられている.また蛋白分解酵素により抗体結合性が保たれることからエピトープは糖鎖であると考えられ,シアリルラクト-N-テトラオース(NeuAc-Gal-GlcNAc-Gal-R;シアリルLewis C)であると報告された.この糖鎖はCA19-9にフコースが結合していない前駆構造で,fucosylase(-)のCA19-9陰性(Lewis抗原陰性)のヒトでも産生され,これら症例で特に有用である.なお,臨床応用において早期診断には不適であるが治療効果,再発のモニターには有用である.
判読
健常者スクリーニング用のカットオフ値は一般に150U/mLが用いられるが,偽陽性としての良性疾患が含まれる可能性も高い.癌と良性疾患の鑑別の参考カットオフ値は400U/mLとされる.
採取保存
①血清分離後に凍結保存(-20℃で1年間安定).②ヘパリ
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