基準値 40mAU/mL以下
測定法 ECLIA
検体量 血漿0.5mL(クエン酸加)または血清0.5mL
日数 2~6日
目的 ①肝細胞癌の診断補助,②ビタミンK欠乏の診断
Decision Level
●40~1,000mAU/mL(増加)
[高頻度]ビタミンK欠乏症(新生児,母乳栄養児,閉塞性黄疸,下痢,抗菌薬長期投与),肝細胞癌,慢性肝炎,肝硬変,ワルファリン投与 [可能性]N-メチルテトラゾルチオール基(N-MTT基)をもつ抗菌薬投与,肝細胞癌以外の悪性腫瘍,肝内肝外胆汁うっ滞 [対策]プロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),ヘパプラスチンテスト(HPT),トロンボテスト(TT)の測定.ビタミンK投与の考慮.肝病変の診断
●1,000mAU/mL以上(高度増加)
[高頻度]ビタミンK欠乏症,ワルファリン投与,肝細胞癌 [可能性]肝細胞癌以外の悪性腫瘍 [対策]PT,APTT,HPT,TTの測定.ビタミンK投与.原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
PIVKAは第Ⅱ因子(プロトロンビン)の前駆物質であり,ビタミンK欠乏状態で出現する.血中半減期は2~3日である.
ビタミンK依存性因子の前駆体PIVKAのN末端部に存在するいくつかのグルタミン酸(Glu)は,還元型ビタミンKを補酵素とするγ-カルボキシラーゼによりγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)に変換(1分子に10個前後)されてCaイオンとの結合能とリン脂質との結合能を得て成熟した凝固因子となる.
ビタミンK依存性凝固因子(第Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子)は,その生理活性を得るために還元型ビタミンKによるカルボキシル化を必要とする.クマリン誘導体であるワルファリンはビタミンKの代謝に必要な酵素を阻害しビタミンK変換周期を止め,還元型ビタミンKを減少させる.その結果,ビタミンK依存性凝固因子活性
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