診療支援
検査

サイトケラチン19mRNA〔CK 19 mRNA〕   2,400点
cytokeratin 19 mRNA
松浦 成昭
(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター 総長)
辻本 正彦
(大阪細胞病理研究所)

基準値 陰性


測定法 OSNA(one-step nucleic acid amplification)法


検体量 リンパ節のホモジェネート 20μL


日数 30分以内


目的 リンパ節転移の診断(手術中の迅速診断を含む)


Decision Level

 本検査は検体中のサイトケラチン19mRNAレベルを定量的に測定するものであるが,リンパ節転移の程度を3分類したUICCの基準に基づき,2.5×102コピー/μLを陽性・陰性の,5.0×103コピー/μLを強陽性・陽性のカットオフ値にそれぞれ設定した.強陽性,陽性,陰性はそれぞれUICCの定めたリンパ節転移分類,macrometastasis(転移巣のサイズ2mm以上のもの),micrometastasis(転移巣のサイズ0.2~2mmのもの),no metastasis(転移なし)またはisolated tumor cell(転移巣のサイズ0.2mm以下のもの)に対応する.本検査はサンプルの取り扱い,試薬の期限切れなどに注意すれば安定した結果が得られ,簡便な方法で,誰が行っても同一結果が得られ,施設間格差はみられず,医療の標準化推進の点からも意義深いと考えられる.現在,乳癌診療ガイドライン2022年版において,センチネルリンパ節の病理学的検索方法として,OSNA法が通常の病理組織学的検索の代用となりうることが明記されている(②疫学・診断編 病理診断 BQ6)

●陽性

[高頻度]現時点では乳癌,大腸癌,胃癌,非小細胞肺癌の所属リンパ節転移について保険適用されており,癌細胞が一定量あれば陽性,強陽性の結果を示す.ただし,ごく一部の乳癌,胃癌,および非小細胞肺癌にCK19低発現のものがみられることに注意すべきである.また,非上皮性の悪性腫瘍は陰性を示す [可能性]良性疾患,正常例では陽性を示すことはない.ただし,サンプルの処理のときに転移陽性サン

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?