基準値
・組織:陰性
・患部ぬぐい液:陰性
測定法 液相(核酸)ハイブリダイゼーション
検体量 組織250mgもしくは擦過細胞少量
日数 3~6日
目的 子宮頸癌・異型性のスクリーニングと補助診断
Decision Level
●陽性
[高頻度]
・HPV16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68:子宮頸癌
・HPV6,11:尖圭コンジローマ
[対策]特に16,18型を主としたハイリスク型に分類されるHPV-DNAの持続感染は子宮頸癌の予測因子として位置づけられており,細胞診・組織診にて癌の存在を検索する.経過観察のための検診を効率的に行い,適正な検診間隔を考慮する目安とする
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
HPVはパルボウイルス科に属する小型DNAウイルスであり,現在までに100種類以上に分類され,子宮頸癌,外陰癌,陰茎癌,皮膚癌などの原因ウイルスと考えられている.ほとんどのHPV感染は一過性であり,免疫力により自然消失する.一方,16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68型はハイリスク型に分類され,子宮頸癌やその前癌病変から高頻度に検出されることが知られており,その持続感染が子宮頸癌発生の予測因子として位置づけられている.現在の日本においては,子宮頸部擦過細胞診は最も優れた子宮頸癌スクリーニング法として知られているが,HPV-DNAの検出はその補助診断や精度の向上に寄与するものと考えられている.わが国では,16,18型に対する2価のワクチン(サーバリックス®),6,11,16,18型に対する4価のワクチン(ガーダシル®)がそれぞれ2009年10月,2011年7月に承認された.それらによる軽度から高度まで1~3の3段階に分けられるCIN(cervical intraepithelial neoplasia)3の予防効果は約80