基準値 検出せず
測定法 RT-PCR法
検体量
●腫瘍組織(手術材料,生検材料)
・凍結組織
・ホルマリン固定組織
・パラフィンブロック
・未染標本スライド
●骨髄液
骨髄転移が認められた場合に有用である
日数 7~14日
目的 骨軟部腫瘍(骨軟部組織発生未分化小円形細胞肉腫を含む)における確定診断(疾患の鑑別)のための補助診断
Decision Level
●EWS::Fli1遺伝子陽性
[高頻度・可能性]Ewing肉腫に代表されるEwing肉腫ファミリー腫瘍(Ewing's sarcoma family of tumors;ESFT) [対策]本検査は補助診断のため,臨床,画像,病理,染色体検査などの所見を総合的に考慮のうえ,確定診断を行う
●TLS::CHOP遺伝子陽性
[高頻度・可能性]粘液型脂肪肉腫 [対策]本検査は補助診断のため,臨床,画像,病理,染色体検査などの所見を総合的に考慮のうえ,確定診断を行う
●SYT::SSX遺伝子陽性
[高頻度・可能性]滑膜肉腫 [対策]本検査は補助診断のため,臨床,画像,病理,染色体検査などの所見を総合的に考慮のうえ,確定診断を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
骨組織や筋肉,脂肪などの軟部組織に発生する骨軟部腫瘍は,種類が多く悪性度もさまざまであり,治療のための確定診断に難渋することが少なくない.実際の診断は臨床,画像,病理所見などを総合して判断することになるが,骨軟部腫瘍では特徴的な染色体異常や遺伝子異常が数多く存在し,これらの異常が確定診断を行ううえで非常に有用であることが知られている.また,2020年に改訂されたWHO骨軟部腫瘍分類第5版では,骨腫瘍と軟部腫瘍から「骨軟部組織発生未分化小円形細胞肉腫」が独立した項目として新設された.
Ewing肉腫は,思春期から若年成人の骨盤や長管骨に好発する肉腫であるが,他の骨や,骨髄,肺などに再発・転移しやすく,
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