診療支援
検査

ポルフィリン体と前駆物質  
porphyrin bodies and their precursors in urine
木村 健二郎
(JCHO東京高輪病院名誉院長)

ポルフィリン体

 ウロポルフィリン〔UP〕(uroporphyrin)

 コプロポルフィリン〔CP〕(coproporphyrin)

 プロトポルフィリン〔PP〕(protoporphyrin)

前駆物質

 δ-アミノレブリン酸〔ALA〕(δ-aminolevulinic acid)

 ポルホビリノゲン〔PBG〕(porphobilinogen)


基準値

●定性

・ポルフィリン体(UP,CP):陰性

・PBG:陰性

●定量

・ALA:5mg/日以下

・PBG:2mg/日以下

・UP:30μg/L以下

・CP:250μg/L以下


測定法

●定性

・ポルフィリン体:Fischer法のBrugsch変法(蛍光法)

・PBG:Watson-Schwartz法

●定量 ALA,PBG:比色法


検体量 蓄尿10mL


日数 7~14日


目的 ポルフィリン症の発見と病型診断


NOTE‍ 保険点数:17点(尿中ポルフィリン症スクリーニングテスト),105点(尿中ウロポルフィリン),135点(尿中コプロポルフィリン),109点(尿中δ-アミノレブリン酸),191点(尿中ポルホビリノゲン).ポルフィリン定性は保険適用外


Decision Level

●ポルフィリン体定性試験:陽性(UP,CPについてのみ検出する)

[高頻度]先天性ポルフィリン症,鉛中毒 [可能性]肝疾患(肝硬変,肝炎など),造血器疾患(諸種貧血,白血病,ヘモクロマトーシスなど) [対策]尿中ポルフィリン体および前駆物質の定量〔「ポルホビリノゲン」の項を参照〕,必要に応じて赤血球中,糞便中のものも測定する(尿中にはPPは排泄されない)

●PBG定性試験:陽性

[高頻度]上記と同様(ただし急性間欠性ポルフィリン症では尿中ポルフィリン体が陰性でPBGやALAの排泄のみが増加するので本試験の意義は大きい) [可能性]上記と同様 [対策]上記と同様


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 ポルフィ

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