診療支援
検査

細胞診《細胞病理学的検査》  
cytological examination《cytopathological examination》
岡 輝明
(結核予防会複十字病院病理診断部・部長)

基準値 異常細胞の質的な判定基準はあるが,数値で示しうるものではない.「Decision Level」を参照されたい


観察法 光学顕微鏡観察


検体量 検査の目的や検体採取法により異なる


日数 2~4日


目的 細胞形態からの病変の推測


NOTE‍ 保険点数:150点(婦人科材料などによるもの.採取と同時に行った場合には,婦人科材料等液状化検体細胞診加算として,36点を加算する),190点(穿刺吸引細胞診,体腔洗浄などによるもの.過去に穿刺しまたは採取し,固定保存液に回収した検体から再度標本を作製して,診断を行った場合には,液状化検体細胞診加算として,85点を加算する),860点(セルブロック法によるもの),450点〔(手術中,検査中(超音波気管支鏡下穿刺吸引生検法,超音波内視鏡下穿刺吸引生検法の迅速細胞診),200点(細胞診断料)


Decision Level

 細胞診(細胞診断)は,主として光学顕微鏡で細胞を観察し,その形態学的所見から病変の質的判断を下す病理診断法の1つである.したがって,病理組織学的検査と同様,病気の確定診断に直結しうる点で,一般の臨床検査とはやや性格の異なる検査である.

 歴史的に,細胞診は主として腫瘍組織からの剥離細胞を対象とし(剥離細胞診,exfoliative cytology),異型細胞検出に主眼をおいていたため,悪性腫瘍のスクリーニング検査と位置づけられ,補助的診断法と考えられてきた.もちろん現在でも,集団検診などにおけるスクリーニング検査の意義は変わらない.一方,肺癌や子宮癌などでは悪性細胞の有無はもとより,その組織型の推定が可能であり,また,真菌やウイルス感染などの判定においても,病理組織学的診断に匹敵する診断精度が得られるようになってきた.特に腫瘍の組織型の判定については,挫滅の加わった生検組織や微小な組織検体よりも的確な情報が得られることがある.

 

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