基準値 羊水:5個/mm2以上,胃液:10個/mm2以上(成熟値:陰性)
測定法 ①検体40μLをカバーグラス中央に滴下する.②スポイト付きピペットの先端をそれに垂直に立て,6秒間に20回の速さで吸引と排出を繰り返すことにより起泡する.③カバーグラスを直ちに反転してホールスライドグラスにかぶせ,4分間静置する.④顕微鏡(10×10倍)で検体の中央と四隅の計5視野について1mm2当たりの直径15μm以下の安定小泡を数え,平均値を算定する.
検体量 羊水または胃液40μL
日数 10分以内
目的 呼吸窮迫症候群の予知(羊水)と早期補助診断(胃液)
Decision Level
●羊水:5個/mm2未満,胃液:10個/mm2未満(未熟値:陽性)
[高頻度]呼吸窮迫症候群 [可能性]①肺炎・敗血症や循環障害などによる肺サーファクタントの二次的欠乏,②成熟肺(偽陽性)[対策]①のために出生後に呼吸窮迫症候群を発症した場合は,肺サーファクタント欠乏の主因が一次的か二次的かを臨床的に区別することは難しく,この場合の診断名は「呼吸窮迫症候群+①の疾患名または病態名」にする
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
マイクロバブルテストは,肺サーファクタントが存在する検体を起泡したときに,直径15μm以下の安定した小泡が多数生じることを利用して,羊水や胃液に移行した胎児肺サーファクタントを迅速(10分以内)・簡便に検出する方法である.早産のため肺サーファクタントが十分に産生されないで発症する呼吸窮迫症候群の予知(羊水)と早期補助診断(胃液)にわが国で広く用いられている.本法の重要な意義は,陽性の場合に呼吸窮迫症候群児への人工サーファクタントの予防・早期投与が選択的に行えること,逆の見方をすれば,非呼吸窮迫症候群児への不必要な治療が回避できることにある.欧米では肺サーファクタントを迅速・簡便に検出する正診度の高い