診療支援
検査

血液中の薬物・毒物濃度の定量法と測定値に基づく治療管理の意義
内藤 隆文
(浜松医科大学特任准教授/医学部附属病院副薬剤部長)
川上 純一
(浜松医科大学教授/医学部附属病院薬剤部長)

 診療において,血液中の薬物・毒物濃度の多くは,体外診断用医薬品を用いた免疫学的測定法(HEIA法,PETININA法,CLIA法,KIMS法,CEDIA法,EIA法など.略名については下記参照)により定量される.しかし,一部の薬物・毒物では,免疫学的測定法による体外診断用医薬品が市販されていない.そのような薬物・毒物は,HPLC法,GC法,GC-MS法などの分離分析法により定量される.近年,分析感度および特異性に優れたLC-MS/MS装置が医療機関や検査機関に導入され,HPLC法,GC法およびGC-MS法に代わる分離分析法として,血液中の薬物・毒物濃度の測定に用いられている.LC-MS/MS法は定量性の高さに加え,優れた特異性を有することから,救命救急領域における薬物・毒物中毒による原因化合物の同定にも用いられている.リチウムなどの金属イオンの血液中濃度測定においては,原子吸光分光法(A

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