診療支援
検査

総三塩化物〔TTC〕
total trichloro-compounds
大谷 壽一
(慶應義塾大学医学部教授・慶應義塾大学病院薬剤部長)
澤田 康文
(東京大学大学院客員教授・育薬学講座)

測定法 GC


採取保存 採取した尿は,可及的速やかに検査することが望ましい.尿の保存は,冷凍保存を原則とするが,腐敗に注意すれば冷蔵も可


検体量 尿1~3mL


対象曝露物質 テトラクロルエチレン(パークロルエチレン),トリクロルエチレン,1・1・1-トリクロルエタン(メチルクロロホルム)など(以上,ガス曝露),および抱水クロラール(エスクレ®坐剤・注腸キット,他)


日数 4~5日


臨床的意義

 有機溶剤等作業ならびに特別有機溶剤等を用いた有機溶剤作業に従事する労働者を対象として行われる特殊健康診断の検査項目の1つである.総三塩化物は,テトラクロルエチレン(パークロルエチレン),トリクロルエチレン,1・1・1-トリクロルエタン(メチルクロロホルム)の代謝物であり,尿中に排泄される.したがって,尿中トリクロル酢酸濃度は,労働者のこれら有機溶媒に対する曝露の指標となる.結果の評価については,正常・異常の鑑別

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