診療支援
検査

インフリキシマブ定性   310点
infliximab qualitative measurement
秋山 雄次
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)
三村 俊英
(埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科)

基準値 血清中のインフリキシマブ(IFX)濃度が1μg/mL以上であれば陽性


測定法 イムノクロマト法


検体量 血清60μL


市販名 レミチェックQ®


日数 キット(レミチェックQ®)にて15分


目的 血清中IFX濃度の1μg/mL以上の判定


Decision Level

[高頻度](IFX1μg/mL以上で)陽性 [対策]IFX治療中で効果不十分な関節リウマチ(RA)患者において,IFXの増量や投与期間短縮の判断の補助として用いる


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 血清中のIFXは,金コロイド標識抗IFXマウスモノクローナル抗体と反応し,金コロイド標識された免疫複合体を形成する.金コロイド標識免疫複合体は,テストプレートの判定部に固相化された抗IFXマウスモノクローナル抗体と反応し,固相化抗体・抗原・金コロイド標識抗体複合体を形成する.この複合体の金コロイドが集積して出現する赤紫色のラインの発色の強さと,同時に測定したカットオフコントロールの赤紫色のラインの発色の強さを比較し,血清中IFX濃度が1μg/mL未満か1μg/mL以上かを判定する.

 Rising試験の結果より,RAに対するIFXの有効性はIFXのトラフ血中濃度に依存し,1μg/mL以上に維持することが重要とされている.IFX治療中で効果不十分と判断されたRA患者において,IFX投与直前に本試験を行い陰性の場合には,IFX増量を行うか,次回の投与期間を今回よりも短縮する判断をするための補助になる(従来のELISAによる測定は実質的には依頼不可能であるうえ,結果を入手できたとしても数日間を要し,IFX増量や投与期間短縮には反映できなかった).


判読

①リウマトイド因子は500IU/mLまで,ビリルビンは50mg/dLまで,乳びは5,000ホルマジン濁度まで,溶血はヘモグロビン濃度として500mg/dLまで検査結果に影響はない.②高ビ

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