診療支援
検査

胃切除後症候群
有本 純
(大森赤十字病院消化器内科)
中島 淳
(横浜市立大学主任教授・医学研究科肝胆膵消化器病学)

病態

 胃切除後に起こる症状の総称


異常値

・血糖 後期ダンピング症候群で食後に低血糖を示す

・血算 鉄吸収の低下による鉄欠乏性貧血(小球性貧血).胃切除後1~2年で起こり始める

・血清鉄 鉄吸収の低下による血清鉄低下,鉄結合能の上昇

・ビタミンB12 広範囲胃切除,全摘例で低下,放置すると悪性貧血.悪性貧血はビタミンB12を補充しないと,数年経過して発現する.この場合,大球性貧血となる

・血清ALP 術後骨軟化症の診断(軽度の高値)

・骨密度測定 術後骨軟化症,骨粗鬆症の診断(低下)


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●上部消化管内視鏡 噴門側胃切除後であれば術後の逆流性食道炎の可能性を考慮,その他の術式でも吻合部病変(潰瘍・狭窄),胃排出障害(食物残渣,胃石),残胃癌などの評価のため1年ごとを目安として行う.器質的な異常を伴わない場合には上部消化管造影や内視鏡検査では異常を指摘できないことも多い

●血

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