診療支援
検査

薬物性肝障害(DILI)
富谷 智明
(埼玉医科大学教授・消化器内科・肝臓内科)
持田 智
(埼玉医科大学教授・消化器内科・肝臓内科/診療部長)

病態

 薬物に起因した肝障害.成立機序から,中毒性と特異体質性に分類され,後者は代謝性特異体質とアレルギー性特異体質に区分される.また,これら一般型以外に,特定の薬物で脂肪化,腫瘍形成,血管病変などが生じる特殊型があり,チェックポイント阻害薬による自己免疫機序を介する肝障害,抗癌薬,免疫抑制薬によるB型肝炎ウイルスの再活性化もDILIに含む


異常値

●トランスアミナーゼ 高値(肝細胞傷害型)

●γ-GT ときに高値(胆汁うっ滞型)

●ALP ときに高値(胆汁うっ滞型)

●末梢血白血球数 しばしば増多

●末梢血好酸球数 増多,血清IgE上昇(アレルギー性でしばしば)

●薬剤リンパ球刺激試験(DLST) 陽性(陰性でも否定できない)

●肝生検

・肝細胞傷害型:肝細胞変性・壊死が主体,炎症反応はないか軽度,小葉中心部が壊死

・薬物アレルギーによる肝障害:ウイルス性肝炎と区別しがたい


経過観察のための検査項目とその測定頻

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