病態
薬物に起因した肝障害.成立機序から,中毒性と特異体質性に分類され,後者は代謝性特異体質とアレルギー性特異体質に区分される.また,これら一般型以外に,特定の薬物で脂肪化,腫瘍形成,血管病変などが生じる特殊型があり,チェックポイント阻害薬による自己免疫機序を介する肝障害,抗癌薬,免疫抑制薬によるB型肝炎ウイルスの再活性化もDILIに含む
異常値
●トランスアミナーゼ 高値(肝細胞傷害型)
●γ-GT ときに高値(胆汁うっ滞型)
●ALP ときに高値(胆汁うっ滞型)
●末梢血白血球数 しばしば増多
●末梢血好酸球数 増多,血清IgE上昇(アレルギー性でしばしば)
●薬剤リンパ球刺激試験(DLST) 陽性(陰性でも否定できない)
●肝生検
・肝細胞傷害型:肝細胞変性・壊死が主体,炎症反応はないか軽度,小葉中心部が壊死
・薬物アレルギーによる肝障害:ウイルス性肝炎と区別しがたい