診療支援
検査

原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

病態

 副甲状腺ホルモン(PTH)の自律的な過剰分泌により高Ca血症,骨代謝異常を呈する


異常値

●血中Ca 10.5mg/dL以上(血清アルブミン値で補正後に評価.血清補正Ca(mg/dL)=測定血清Ca(mg/dL)+4-血清アルブミン(g/dL))

●尿中Ca 男性250mg/日以上,女性200mg/日以上,尿中Ca排泄率(fractional excretion of calcium;FECa)>1%(CCa/CCr>0.01)

●血中P 2.5mg/dL未満

●尿細管リン再吸収率(%TRP) 80%未満

●血中Cl 106mEq/L以上

●血中HCO3- 24mEq/L未満,代謝性アシドーシス

●血中intact PTH 軽度~中等度増加(65~500pg/mL).wholeまたはbioPTH assayによりPTH-(7-84)を含まないPTH-(1-84)のみを測定可能になっている.特にmidPTHの異常高値は副甲状腺癌を疑わせる.

●血中骨型ALP 高値(30~300μg/L).骨形成マーカーの異常高値は副甲状腺癌を疑わせる.

●尿中デオキシピリジノリン 高値

・男性:5.4nmol/mmolCr以上

・女性:7.6nmol/mmolCr以上

●尿中Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx) 高値

・100~1,000nmol BCE/mmolCr:骨吸収亢進

・200nmol BCE/mmolCr以上:副甲状腺摘出術の適応

●骨X線像

・腎型:腎結石,尿路結石

・骨型:骨膜下骨吸収像,頭蓋骨のsalt and pepper像,歯槽骨縁の消失,皮質骨優位の骨密度低下

●腫瘍の部位診断

・頸部カラードプラ超音波検査:低エコー腫瘤像

・頸部MRI:T1でlow,T2でiso~high intensity,ガドリニウムで増強される像

201Tl/99mTcサブトラクションシンチグラム:副甲状腺腫瘍の集積(

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