病態
高齢者にみられる原因不明の全身性炎症性疾患で,急速に完成する両側の頸・肩部,大腿・腰背部など近位部の痛みが主症状で,起床困難など日常生活に著明な影響がある.臓器障害はきたさず,比較的少量の副腎皮質ステロイドで寛解に至ることが多い.多関節痛・炎を示すが,リンパ節腫脹や皮疹はなく,検査値では著明な炎症反応上昇や白血球増多などを示すが,自己抗体など特徴的な検査値はない.側頭部の頭痛を伴う,巨細胞性動脈炎を合併する場合がある.
異常値
・血液検査 赤沈亢進,CRP上昇,白血球増加,血小板増加
・多発関節痛・炎
・胸部X線/胸部CT 感染症の有無
・関節エコー 少なくとも,一方の肩に三角筋下滑液包炎/二頭筋腱鞘炎/肩甲上腕滑膜炎(後/腋窩),および一方の股関節の滑膜炎/転子滑液包炎,もしくは両側肩に三角筋下滑液包炎/二頭筋腱鞘炎/肩甲上腕滑膜炎の所見
経過観察のための検査項目とその測定頻度
・血液検査 [急