診療支援
検査

小児の嘔吐症・下痢症
大西 宏明
(杏林大学医学部教授・臨床検査医学講座)

病態

 大部分がウイルス性の急性胃腸炎であるが,一部に細菌性腸炎の場合もみられる.ウイルス性胃腸炎の場合は,通常嘔吐が先行し,1~2日で下痢が始まる.しばしば発熱もみられる.細菌性腸炎では,嘔吐よりも下痢が目立ち,しばしば血便を伴う.嘔吐が頻回で下痢がない場合は,腸重積やイレウスなどの腸閉塞性疾患の可能性も考慮する.高熱と頻回の嘔吐では髄膜炎も考慮する.乳児で嘔吐がなく下痢が頻回の場合は,乳糖不耐症(大部分が二次性)や乳児消化管アレルギーなどの可能性もある


[参考]

 小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017


異常値

・便培養検査 細菌性の場合に陽性になる

・便中抗原検査 ロタウイルス,ノロウイルス,アデノウイルスなどの感染において,それぞれの特異的抗原検査が陽性となる

・白血球 ウイルス性では正常から減少,細菌性では増加することが多い

・CRP ウイルス性では正常から軽度増加,細菌性では増加することが多い

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