適応
本態性高血圧症,褐色細胞腫による高血圧症
用法
1日150mgより開始し,効果不十分な場合は1日450mgまで漸増し,1日3回に分割(増減)
禁忌
1)糖尿病性ケトアシドーシス,代謝性アシドーシス(アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強)
2)高度の徐脈(著しい洞性徐脈),房室ブロック(Ⅱ,Ⅲ度),洞房ブロック
3)心原性ショック,肺高血圧による右心不全,うっ血性心不全(心機能を抑制し,症状悪化)
4)過敏症
5)気管支喘息,気管支痙攣の恐れ(気管支を収縮させ,症状を誘発又は悪化)
注意
〈基本〉
①投与は少量より開始し,長期投与の場合は心機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線等)を定期的に行う.特に徐脈及び低血圧を起こした場合は減量又は中止.又,必要に応じて対症療法.尚,肝機能,腎機能,血液像等に注意
➋類似化合物(プロプラノロール)使用中の狭心症患者で急に投与を中止したとき症状が悪化したり,心筋梗塞を起こした症例が報告→休薬を要する場合は徐々に減量し観察.又,医師の指示なしに中止しないよう注意.狭心症以外の適用で投与する場合でも,特に高齢者においては同様の注意
③褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き,手術前24時間は投与しないが望ましい
➍めまい,ふらつき→投与中(特に投与初期)には運転注意
〈検査〉
①投与中の患者では,蛍光法を用いる血中及び尿中カテコールアミン,VMAの測定値をみかけ上増加させる為,これらの検査は本剤投与前に行う(本剤はアルカリ溶液中にて励起波長334nmで蛍光を発し,その蛍光波長は412nm)
②投与中の患者において,MIBGを用いた臨床検査(シンチグラフィー)を実施したところ,MIBGの取り込みが阻害され,臨床検査結果に影響を与えた報告がある為,MIBGを用いた臨床検査を実施する場合は注意
〈その他〉
①褐色細胞腫の患者に投与した場合に高血圧が悪化した報告
②重篤なアナフィラキシー