診療支援
検査

エムポックス〔MP〕
北村 義浩
(日本医科大学医学教育センター・個別化教育推進部門長/教授)


病態

 ポックスウイルス科のエムポックスウイルス【サル痘ウイルス】によって起こる発疹性疾患である.感染経路は95%が接触感染であり,そのうち約70%は性的接触である.なかでも男性間で性交渉を行う者(men who have sex with men;MSM)が多い.それゆえHIV感染も60%程度認められる.潜伏期間は長めにいえば5~21日(たいてい7~14日)である.

 発疹と発熱・悪寒がありふれてみられる(それぞれ90%,70%).発疹が初発症状であることも少なくない.その他に,リンパ節腫脹,肛門直腸痛,頭痛,筋肉痛,倦怠感などが認められる.皮疹は従来顔面に多かったが,近年の流行では会陰部・肛門周囲や口腔など性的接触の領域が多く,次いで体幹・腕・脚などに認められる.発疹の初期はニキビや小水疱から始まりやがて膿疱からかさぶた形成を経て落屑に至る.痛みやかゆみを伴うこともある.水痘との鑑別が重要

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