今日の診療
検査

ウエストナイル熱〔WNF〕
北村 義浩
(日本医科大学医学教育センター・個別化教育推進部門長/教授)


病態

 ウエストナイルウイルス(WNV)を有する蚊に刺されることによって感染する人畜共通感染症である.突然の発熱,筋肉痛,疲労感,リンパ節腫脹を主徴とする


異常値

・抗体検査 WNVに特異的なIgM抗体を血清中に(神経学的症状を呈する場合,脳脊髄液にも)検出する.これが診断上最も有用な情報である.発熱後8日頃から血清中に中和抗体(IgG)を検出しうる

・RT-PCR法による遺伝子検出 健常者では病初期(第1~5病日)に採取された場合,ウイルス核酸を血清中に(神経学的症状を呈する場合,脳脊髄液にも)検出する.免疫不全者の場合,ウイルスが長く血液に存在するので健常者よりも検出しやすく,診断目的のために実施する価値がある

・髄液検査 神経学的症状を呈する場合,脳脊髄液の所見は通常,細胞上昇,蛋白質上昇,グルコース正常,である.細胞はリンパ球優位である

・その他 神経学的所見のある場合に,低Na血症を示すこと

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