今日の診療
検査

腸チフス
古川 恵一
(国保旭中央病院・感染症センター長)


病態

・チフス性疾患Enteric feverは発熱など強い全身症状を伴い腹痛などを呈する感染症である.腸チフス菌Salmonella enterica serotype Typhiの感染による場合を腸チフス,パラチフス菌S. enterica serotype Paratyphi Aの感染による場合をパラチフスという.

・東南アジア,インド,中東,アフリカ南部などで多い.日本では輸入感染が70~90%あり,2023年には腸チフス38例,パラチフス9例であった.

・チフス菌,パラチフスA菌は通性嫌気性グラム陰性桿菌で腸内細菌科サルモネラ属に属する.

・汚染された水,飲食物から経口感染する.潜伏期は5~21日(多くは14日前後)で,小腸のリンパ組織に感染し,リンパ行性,血行性に全身に播種する.

・臨床症状は発熱(75%),腹痛(20~40%),下痢(50%),便秘(10~38%),発疹(バラ疹:30%

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