病態
花粉をアレルゲンとするⅠ型アレルギー性疾患で,肥満細胞や好塩基球が活性化される結果ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出され,鼻炎や結膜炎が発症する.粘膜上皮が花粉により刺激を受けるとIL-33などのサイトカインが産生され2型自然リンパ球が活性化される結果,Th2サイトカインが産生され病状に関与する.症状は花粉飛散時期に集中する.わが国で最も多い花粉症はスギ花粉症である.主症状は季節性のあるくしゃみ,水様性鼻汁,鼻閉,眼脂,眼瞼の瘙痒感などである.近年,重症症例も散見され,咳,喘鳴などの呼吸器症状や皮膚瘙痒感,湿疹,紅斑などの皮膚症状を併発することもある.花粉症患者が花粉と交差する抗原を含む食物を食べた際に,口腔粘膜と,その周囲組織に腫脹,瘙痒,蕁麻疹などを生ずることがある(口腔アレルギー症候群,花粉・食物アレルギー症候群)
[参考]
鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻