診療支援
治療

ER受診患者の診かた
How to examine a patint at ER
堀 進悟
(慶應義塾大学教授・救急医学)

 本書の読者であるあなた方は,市中病院で当直時間帯に専門外の救急患者を診る内科医,外科医,後期研修医等と想定されている.そして多くの場合,あなた方は勉強中の医師であり,未だ経験が豊富な医師ではない.そこで,あなた方の行うER診療のニーズに応えるため,本書の改訂に当たり「症状・徴候からのアプローチ」を新たに加えた.しかしこれとて所詮は各論なので限界がある.本項は各論を補完するため,非常勤の当直医がER診療を行ううえでの全般的な注意点について述べることを目的としている.したがって筆者の希望は,「あなた方が当直業務を始める前に本項を読んでほしい」ということに尽きる.以下に,当直先の病院に着いてから始めてほしい事項を順番に書いた.


A.受診時の連絡方法を知る

●ER受診患者は救急搬入とwalk-in(自力受診)とに分かれる.救急隊あるいは患者(家族)からの連絡を誰が受け,ERの医師に連絡されるかを聞い

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