診療支援
治療

鼻出血
epistaxis
川妻由和
(横須賀市立うわまち病院・総合内科科長)

A.ER診療のポイント

●バイタルサインを確認し,気道(A)・呼吸(B)・循環(C)に異常がある場合には迅速な蘇生措置を行う.

●約90%は鼻中隔前方いわゆるキーゼルバッハ部位からの出血で,両鼻翼の圧迫およびガーゼパッキングにより止血可能である.

●後方からの出血は止血困難な場合が少なくない.止血困難な場合,速やかに専門医へのコンサルテーションを行う.


B.最初の処置

①気道(A)・呼吸(B)・循環(C)・意識(D)・体温(E)を短時間で評価し,緊急度を第一印象として把握する.いずれかに異常を認めた場合,緊急度が高いと判断する.

②気道閉塞の疑いがある場合,直ちに用手的気道確保を行う.

③出血が続いている場合,両鼻翼を母指と示指でつまみ,圧迫止血する.可能であれば患者自身につまんでもらう.

④血液誤嚥予防のため坐位とする.坐位が取れない場合は側臥位とする.

⑤出血量推定のため,血液は飲み込まず膿盆などに吐出

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