A.ER診療のポイント
●ポイントを絞った病歴聴取,診察,スクリーニング検査により,二次止血異常による深部の致死的な出血(気道の血腫,頭蓋内出血,血腫によるコンパートメント症候群,後腹膜血腫)を早期に診断し,適切な治療を行うことが重要である.
●外傷を伴わない出血や,外傷の程度に見合わない出血,外傷後の遅発性の出血,関節出血や軟部組織深部の出血を認めた場合は,出血傾向を疑い,ERでの処置後,必要に応じて血液内科医による精査,フォローを依頼する.
●外傷患者を診察する際は,必ず出血傾向のリスク評価を行う.
●出血傾向は,主に血小板血栓形成による一次止血と,それを強化する凝固系を介したフィブリン架橋による2次止血の異常に分けられる.それぞれのおおまかな特徴を表1図に記す.
B.最初の処置
1バイタルサイン
ショック徴候に注意しながらバイタルサインを測定する.また,低体温は出血傾向の原因となるので,特に外傷
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