A.疾患・病態の概要
●インフルエンザウイルスによる全身感染症である.インフルエンザウイルスは,A型,B型,C型の3つに分類されるが,C型は一般的に季節性の流行や典型的なインフルエンザの症状を呈さないため,通常A型,B型が問題となる.このうちA型インフルエンザウイルスは,表面のHA(hemagglutinin:血球凝集素)とNA(neuraminidase:ノイラミニターゼ)という2つの蛋白質の抗原性によって,血清亜型が分類される.HAではH1~15,NAではN1~9に分類されている.
●インフルエンザウイルスは変異しやすいウイルスであり,HAとNAは同じ亜型でもわずかな変化が常に起きることで感染し,ヒト-ヒト間の流行が成立する.この変異を「連続抗原変異(antigenic drift)」とよび,例年流行しているウイルスを「季節性インフルエンザ」とよぶ.一方,ヒトやトリのインフルエンザがブタな
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/オセルタミビルリン酸塩《タミフル》
- 治療薬マニュアル2024/アスピリン(アセチルサリチル酸)《アスピリン》
- 治療薬マニュアル2024/ジクロフェナクナトリウム《ナボール ボルタレン》
- 治療薬マニュアル2024/メフェナム酸《ポンタール》
- 治療薬マニュアル2024/ペラミビル水和物《ラピアクタ》
- 治療薬マニュアル2024/ラニナミビルオクタン酸エステル水和物《イナビル》
- 治療薬マニュアル2024/ザナミビル水和物《リレンザ》
- 今日の治療指針2024年版/インフルエンザ [■5類感染症-定点把握]
- 臨床検査データブック 2023-2024/インフルエンザ
- 新臨床内科学 第10版/2 インフルエンザ菌感染症
- 今日の診断指針 第8版/重症急性呼吸器症候群(SARS)
- 今日の診断指針 第8版/小児の百日咳
- 今日の小児治療指針 第17版/百日咳
- 今日の小児治療指針 第17版/新興感染症