小児の疾病は種類が多いだけでなく,同一疾病でも症状が多種多様であるため,重症でも初発症状は軽微で見逃されてしまう危険性がある.「何となくおかしい(not doing well)」を評価できる能力と余裕ある診察が求められる.さらに脱水,低体温,低血糖,ケトン血症などを起こしやすいこと,誤飲・誤嚥,頭部打撲が多いことがあげられる.また,容易に呼吸不全やショックをきたしやすく,短時間のうちに心肺機能不全・心肺停止に至ることが多いため,呼吸不全やショックの徴候を早期に評価し適切な対応を行うことが重要となる.初期対応や心肺蘇生法も成人とは異なるため,小児を診療する機会の多い医師にとってPALS(pediatnic advanced life support)などの標準化コース修得は前提条件となる.
社会的な面からは,保護者は「いつでも,どこでも,小児科医による診療」を受けることが当たり前と考え,安