診療支援
治療

眼科救急
ophthalmic emergencies
坂上憲史
(さかがみ眼科・皮膚科院長)

A.診療のポイント

●一般的に眼科医は細隙燈顕微鏡や眼底倒像鏡などの器具を駆使して診断・治療を行っているため,それらが使用できない救急外来での診療はきわめて限定的なものとなる.

●しかし,限られた情報からもある程度の診断は可能であり,少なくとも今晩中に眼科医のいる地域の中核病院に行ってもらう必要があるのか,それとも翌日の受診でかまわないのかの判断をしなければならない.


B.最初の処置

1眼科受診歴などの病歴聴取

 コンタクトレンズを使用しているのか,緑内障の急性発作に注意するように眼科で言われたことがないかなど,眼科受診歴を確認することが診断の手助けとなることも多い.

1コンタクトレンズの使用

①現在,コンタクトレンズ(CL)の約90%をソフトコンタクトレンズ(SCL)が占めている.SCLはハードレンズに比べて異物感が出にくいため,救急外来を訪れるほどの強い眼痛がある場合は重篤な角膜障害を生じていること

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