A.Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care(JPTEC)誕生の歴史
「救命救急センターにおける重症外傷患者への対応の充実に向けた研究(平成13年度厚生科学特別研究事業:島崎修次ら)」によると,日本における防ぎ得た外傷死(Preventable Trauma Death:PTD)は,救命救急センターにおいてすら約40%に達しており,予想を超える高値であることが判明した.このことは,日本の外傷治療水準が1960年代後半の米国とほぼ同じであることを意味していた.これに先立ち,PTDを減らすためには,日本の救急医療現場に外傷診療標準化プログラムを導入すべきであるという意見が救急専門医によって提唱されており,救急隊員教育として米国の標準化プログラムであるBasic Trauma Life Support(BTLS)プロバイダーコースが日本でも開催され