A.目的,適応,合併症
1目的
髄液の採取
2適応症
髄膜炎,脳炎,くも膜下出血,脳腫瘍
3合併症
感染,頭痛(低髄液圧症)
B.インフォームドコンセント上の注意点
以下のことを患者に理解させ,十分に体位をとることができるよう安心させる.
①腰部に針を刺入して行う検査であるが,決して危険ではない.
②局所麻酔時に軽度の疼痛があるが検査中には疼痛は通常生じることはなく,麻酔後万が一疼痛が生じた際は,局所麻酔を追加できる.
③検査前の食事を控える必要はない.
④穿刺部位の剃毛は不要である.
C.準備するもの
滅菌手袋,マスク,帽子(頭髪を覆うことができるもの),ディスポのスパイナル針(細い針が望ましい,22G以下),滅菌スピッツ,局所麻酔薬
D.手技の手順
1体位のセッティング
①腰椎穿刺では体位の確保が最重要である.患者を側臥位とし体幹を可能なかぎり前屈し膝を抱え込み,かつ背部をベッドに垂直方向に立てるよう患者の体位を確保する(図1図).
②患者が前方に倒れ込まないよう,ベッドはなるべく硬い物がよい.ベッドの高さも術者が安定した姿勢を確保できるよう,あらかじめ調節しておく.
③患者自身がきちんと体位をとることができれば介助は不要である.
2位置の確認
①穿刺位置は,消毒の前に確認しておく.
②左右の腸骨稜を結ぶヤコビ線(Jacoby line)はL4棘突起の目安となる(図2図)が,あくまで目安であり1椎体分ずれることもある.
③腰椎正面X線像があれば確認可能である.
3消毒 消毒はイソジン®のみでよい.刺入点を中心に15cm四方を目安としてできるだけ広めに消毒を行う.
4針の刺入
①滅菌手袋を着用した術者は棘突起を触診で確認した後,穿刺部位に局所麻酔を行う.
②局所麻酔時に皮下に針(カテラン針でなく,普通の長さの針でよい)を進めれば,棘突起間が十分あるか,靱帯の石灰化の程度はどうかなど,穿刺前に重要な情報が得られる.
③