Ⅰ.X線CT
A.救急領域におけるCTの位置づけ
救急診療では正確さだけでなく,状況に応じた診断治療のスピード感が重要である.緊急度と重症度に見合った診断治療を進める.放射線科医を介する間もなく診断治療を進めることもあり,治療エリアに近いところでvolume DATAを診断できる環境を準備する.
B.CTを用いた治療
CT透視やCTアンギオ装置といったモダリティも集中治療領域で利用される.
1CT透視
膵膿瘍や腸腰筋膿瘍を始めとする深部膿瘍穿刺などでリアルタイムに断面像を表示するCT透視が利用できる.CTのガントリー径による穿刺器具の制限,患者および術者の被曝などの制約がある.
2CTアンギオ装置
CTとアンギオ装置を組み合わせたもので,テーブルのスライドや,CTガントリー移動機構を用いて,同じ寝台上でCTと血管撮影を実施する.本来は腫瘍の栄養血管同定に用いられるが,深部の穿刺・ドレナージをCTで