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診断

るいそう
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倉橋 清衛
(徳島大学大学院地域呼吸器・血液・代謝内科学 特任講師)
遠藤 逸朗
(徳島大学大学院生体機能解析学 教授)

るいそうとは

定義

 るいそうとは,著しく体脂肪量および体蛋白組織量が減少した状態と定義される.しかし,体脂肪量や体蛋白量を正確に定量することは困難なため,一般的には適正体重との比較によって判断されている.

 日本肥満学会では,適正体重(kg)の算出として

 [身長(m)]2×22

を提言しており,体格指数として

 BMI(body mass index) = 体重(kg)/[身長(m)]2

を用いている.

 日本肥満学会が2022年に示した基準では,BMI 18.5未満を低体重としている.また,適正体重から20%以上減少した状態をるいそうとして定義することが多い.

 低体重であっても,体重がほぼ一定で,日常生活に支障のない場合には病的とはみなされない(単純性るいそう)が,高度のやせにはなんらかの器質性原因を伴うことが多い.やせの程度は高度でなくても,体重が急速に減少する場合(6〜12か月の期間において,4.5kg以上あるいは元の体重の5%以上の減少)では,臨床的に重要な体重減少と考える.

患者の訴え方

 患者は体重減少をはじめとして,倦怠感,脱力感,易疲労感,頭痛,めまい,不眠,消化器症状などを訴えることが多い.女性では月経異常が主訴となることもある.

 るいそうの基礎疾患として悪性腫瘍,うつ病や摂食障害などの精神疾患,糖尿病や甲状腺機能亢進症などの内分泌・代謝疾患,結核や膿瘍などの慢性感染症,膠原病,神経筋疾患などが挙げられるが,このような疾患にみられる訴えにも注意が必要である.

 精神的原因による場合には,本人には病識が乏しく,健診で低体重を指摘されたり,家人に連れられて受診することも稀でない.

患者がるいそうを訴える頻度

 るいそうのみの頻度は明らかでないが,意図しない体重減少は外来患者の約8%,虚弱な65歳以上の約27%に認められる.無自覚の体重減少を含めると,その比率はさらに高いと考えられる

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